リードが手からすり抜けた瞬間、頭に浮かぶのは『もう戻ってこないのではないか』という不安である。
じつは、米国で行われた追跡調査では、行方不明になった犬のうち71〜93%が飼い主のもとへ戻ったと報告されている。
なぜなら、犬が飼い主のもとへ戻る経路は、自力での帰宅だけでなく、近隣からの通報や保健所・警察への収容を経由した再会も含んでいるからだ。
この記事では、Lordら(2007)の追跡調査が示す再会率の内訳と、ペット探偵団ファインドが2026年6月から9月にかけて記録した犬の捜索29件の実例を突き合わせ、解決までの経過例と、見つかりやすさを左右する条件を具体的に示す。
経過日数と状況が分かれば、届け出や情報収集、捜索範囲の広げ方など、次に取る手段を判断しやすくなる。
犬の脱走、帰ってくる確率をまず数字で見る
海外の学術調査では、行方不明になった犬のうち71〜93%が飼い主のもとに戻ったと報告されている。ただし、この数字がそのまま『犬が自力で帰ってくる確率』を意味するわけではない。
Lord L.K. et al.(2007)の追跡調査(JAVMA 230(2):211-216、DOI: 10.2460/javma.230.2.211)は、行方不明になった犬187頭のうち132頭(71%)が飼い主のもとへ戻ったと報告している。戻るまでの日数は中央値2日(範囲0.5〜21日)だった。
ここでいう『戻った』は、犬が自分の足だけで帰り着いた割合を指すのではない。同じ調査では、再会のきっかけとして保護窓口への電話や訪問が34.8%ともっとも多く、鑑札からの連絡が18.2%、近隣に貼られた張り紙が15.2%と続いている。飼い主自身が窓口に問い合わせて分かった場合、身元表示から連絡が来た場合、近隣の人が気づいて知らせてくれた場合など、複数の経路が含まれた数字であり、犬が自力で歩いて帰り着いた割合だけを取り出したものではない。
Weiss E., Slater M., Lord L.(2012)の調査(Animals 2(2):301-315、DOI: 10.3390/ani2020301)では、犬の帰還率は93%、猫は75%と報告されている。同じ調査は、猫については帰還のきっかけの内訳(自力帰宅66%、近所での発見7%、張り紙11%、機関経由7%)も示しているが、犬については帰還率93%のみが公表されており、内訳までは今回参照している資料に含まれていない。犬だけを対象に自力で戻った割合を取り出したデータは、今回の出典の範囲では確認できなかった。
| 調査 | 対象 | 戻った割合 | 日数の目安 |
|---|---|---|---|
| Lord et al. 2007 | 犬187頭 | 71% | 中央値2日(0.5〜21日) |
| Weiss et al. 2012 | 犬(頭数記載なし) | 93% | 記載なし |
いずれも米国で行われた調査であり、住宅事情やペットの登録制度が異なる日本にそのまま当てはまるとは限らない。ペット探偵団ファインドの実績を示す数字でもない。2026年9月時点で参照できる公表データとして、目安の一つに留めてほしい。
ここで示した71〜93%という割合は、待っていれば犬が自分の足で帰ってくる確率ではない。前述の通り、再会には飼い主自身の問い合わせ、身元表示からの連絡、近隣の人からの通報など複数の経路が含まれている。飼い主が届け出や情報発信の手を止めてよいことを意味する数字ではない。脱走に気づいた時点で、次に挙げる対応をできるだけ早く並行して進める必要がある。
脱走に気づいたら、まず動くこと
脱走に気づいた直後は、動転して何から手をつけていいか分からなくなりやすい。次の項目を、順番にというより、手が空いたところから並行して進めてほしい。
- 自宅の庭や車の下をひと通り確認し、隣家の敷地や物置は、事情を説明して所有者の許可を得たうえで確認させてもらう
- 脱走時のリードやハーネス、首輪の状態を思い出し、外れた原因を把握する
- 最寄りの警察署や交番に遺失届を出す
- 管轄の保健所や動物愛護センターに連絡し、収容情報を確認する
- 近隣の動物病院に、保護されていないか問い合わせる
- 普段の散歩コースを、家族で手分けして確認する
- 迷子犬の掲示板やSNSに、写真と特徴、いなくなった場所と時刻を投稿する
捜索チームの経験では、飼い主の呼びかけは保護の有力な手段だが、必ず効くとは限らない。名前を呼んで抱っこで保護できた例がある一方、呼びかけても近づかず、車の音に驚いて逃げてしまった例もある。追いかけて捕まえようとするより、犬が自分から近づける状況を作って待つほうが、警戒している犬には向いている。
脱走時に記録されていた背景
初動を進めながら、脱走の背景も整理しておきたい。ペット探偵団ファインドの犬の記録29件のうち、きっかけや状況が記されている案件を、直接の引き金と、捜索方針に影響した背景に分けて示す。1件が複数の区分に当てはまることがあるため、件数を単純に足しても29件にはならない。
| 脱走の直接のきっかけ | 件数 | 捜索チームが確認した範囲・行動 |
|---|---|---|
| 雷や花火など、大きな音に驚いた | 3件 | 逃げた方角を裏付ける情報がないため、自宅周辺から範囲を広げて確認する |
| 散歩中の脱走(ハーネス抜け、家族の転倒など) | 3件 | 最終目撃地点の周辺と、その先の茂みや森を家族で手分けして確認する |
雷や花火など、大きな音に驚いての脱走は3件記録されている(雷に驚いたシーズーの例、花火大会の音に驚いた例が2件)。記録の中に、音に驚いた方向へ逃げたことを裏付ける情報は見当たらない。捜索チームはこうした案件でも、まず自宅周辺から範囲を広げて確認する、通常の手順を取っていた。
散歩中の脱走では、最終目撃地点とその先の地形が手がかりになる。ハーネスが抜けて脱走した中型犬の案件では、最終目撃地点が自宅から徒歩10分ほどの森で、家族と手分けしてその森を中心に確認している。散歩中に高齢の家族が転倒して驚いた犬の案件では、脱走から4日間手がかりがないまま遠方で目撃されている(この案件の移動距離は後述する)。
| 捜索方針に影響した背景 | 件数 | 捜索チームが確認した範囲・行動 |
|---|---|---|
| 過去に脱走歴がある | 3件 | 過去に見つかった場所や、普段の散歩コース・行動範囲をまず確認する |
| 迎えて間もない・環境が変わった直後 | 4件 | 移動距離が分かる案件では遠方まで動いた例が複数あり、近場に絞り込めるとは言えない |
過去に脱走歴がある犬では、以前に見つかった場所や普段の行動範囲の確認が捜索の起点になる。高齢犬の案件では、過去に何度も脱走してはその都度保護されていた経緯を踏まえ、まず普段の行動範囲を確認した。柴犬の案件では、過去にも公園や駐車場で保護されることが多かった経緯があったが、記録に残る捜索員の行動は、土砂降りが落ち着くのを待ってからの聞き込みとチラシ配布で、その最中に近所の人が保護していたことが判明している。前回脱走した場所の周辺から捜索を始めた案件も1件記録されている。
迎えて間もない犬や、環境が変わった直後の犬の脱走は4件記録されている(預かり中の犬、ブリーダーから迎えて2日目の犬、動物病院に預けていた犬、トライアル譲渡中の犬)。このうち移動距離が分かる2件は、約2km先の建設会社で保護された例と、数日かけて10km以上先まで移動していた例で、いずれも自宅からある程度離れた地点まで動いていた。土地勘がないぶん近くにとどまる、とは単純に言えない。
業務ログで確認できた、解決までの経過例
ここで紹介するのは、ペット探偵団ファインドが2026年6月から9月にかけて記録した犬の案件29件のうち、経過が分かるものを拾った実例である。件数が限られるため、日数ごとの一般的な確率や見つかりやすさの目安を示すものではない。捜索の進め方を考える際の参考として読んでほしい。
数時間から1日で判明するケース
29件のうち6件は、捜索員が現場に到着する前、あるいは出発前に解決していた。さらに1件は、初回の打ち合わせをしている最中に、迷子犬の掲示板に保護情報が出ているのが見つかり解決した。警察や近所の人からの連絡がきっかけになったケースが多い。捜索を開始してから1日以内に解決した案件もあり、近所の庭や家の裏の土手など、自宅からごく近い場所で見つかっている。
1日〜1週間で判明するケース
脱走から約3日で保護に至った案件が複数ある。約1週間かかった案件では、脱走当初は目撃情報がなかったにもかかわらず、朝方に自宅付近で目撃され、飼い主と手分けして捜索した結果、雨の中を1週間過ごしたとは思えないほどきれいな状態で発見された。
2週間以上かかるケース
脱走から約2週間後、目撃情報をきっかけに保護に至った案件も記録されている。中型犬の案件で、脱走当初の3日間は手がかりがなく、『中型犬が町中を単独で歩いていれば目撃がないのは不自然だ』ということから、どこかに潜んでいる可能性が高いと捜索チームは判断していた。行方不明の期間が長くなるほど、目撃情報の有無が見立てを左右する比重が大きくなる。
記録の期間内に解決しなかったケース
記録の期間内に解決へ至らなかった案件は9件ある。これは記録を締めた時点の状況であり、その後に発見された可能性は残る。また、29件のうち2件は、報告に付いた犬の絵文字だけで犬と判断しており、詳しい経過は記録されていない。行方不明の期間が長引くこと自体は珍しくない、という前提で捜索を続ける必要がある。
状況別に見る、見つかった経緯
警察や保健所を経由したケース
記録の期間内に解決した20件のうち、7件は警察や保健所を経由して判明した。なかには、迷子犬の掲示板を確認していたところ、通報を受けた警察官がすでに犬を保護して待機しており、そのまま引き継いだ例もある。警察がすでに前日から保護していたにもかかわらず連絡が遅れ、飼い主が自分で問い合わせて分かった例もあった。動物愛護センターが遠方の目撃情報を中継した案件は、記録の期間内には解決に至っていない。
近所の人や通りがかりの人が保護したケース
近所の人や会社の人が保護していた例が2件ある。ほかに、通りがかりの高校生が自転車で追いかけて捕まえ、交番に届けた例が1件記録されている。
捜索員や飼い主自身が発見したケース
捜索員や飼い主自身が見つけた例は5件だった。このうち1件は、家の裏の土手から足を滑らせたとみられる犬が、竹藪から上がれずにいるところを飼い主が見つけている。ほかに、用水路にいるところを捜索員が発見し、飼い主に名前を呼んでもらって抱っこで保護した例、近所の庭に座っているところを捜索員が発見した例、自宅付近での目撃情報をもとに飼い主と探して発見した例がある。動けなくなっていたことがはっきり分かるのは竹藪の1件で、残りは移動できる状態のまま見つかっている。
ログ全体の管理番号は約340件で、犬はそのうち29件と1割に満たない。それにもかかわらず、捜索員の到着前に解決した案件のうち6件が犬だったことから、犬は人に保護されて早く見つかりやすい傾向がうかがえる。ただし、この比較はログ全体の概数によるもので、正確な統計ではない。
見つかる時間帯を読む
記録に残る2部制の判断
福岡県の案件では、捜索員が犬の発見が多いと判断し、2日目以降を明け方と夕方の2部制にした。2日目の20時頃に犬の姿が確認されている。岡山県の案件でも、朝4時から7時、夕方17時から20時の2部制を組んだ。広島県の案件では、雨予報でも捜索を順延せず、2日目の朝4時から捜索を始めた結果、その日の早朝に近所の庭で犬を発見・保護している。
猫の捜索との違い
捜索チームの経験では、猫の捜索は夜間から明け方にかけての張り込みが中心になり、日中の動きが読みにくい。犬の捜索では、記録の中で明け方と夕方の2部制を採用した案件が複数あり、早朝の捜索で保護に至った例もある。ただし、この記録だけで犬全般の行動時間帯を断定することはできない。
見つかりにくくなる条件
目撃情報が集まらない
中型犬でリードを付けたまま、あるいは花火大会で人出が多い状況でも、初期の目撃情報がまったく集まらなかった案件が複数ある。捜索チームはこうした場合、犬がどこかに潜んでいる可能性を考え、範囲を絞ったうえでチラシと聞き込みを重ねる判断を取っている。
追いかけられて隠れてしまう
目撃者が原付や軽トラックで追い回した後、姿を見せなくなった例がある。迎えて間もない犬を夫婦で追いかけ回した案件では、犬は飼い主の姿を見ると逃げるようになった。岡山県の案件では、飼い主がかなり追いかけ回した末に見失い、翌朝に河川敷で目撃されたことから、河川敷を中心に捜索を進めている(記録期間内は未解決)。捜索チームの経験では、飼い主の呼びかけは保護の有力な手段である一方、興奮した状態で追い詰めると逆効果になることがある。
行動範囲が想定より広い
保護施設からトライアル譲渡中だった犬の案件では、脱走から数日たって届いた目撃情報が、当初の想定より大きく離れた地点だった(詳しい移動距離は後述する)。行動範囲が広がりすぎると、コンビニやスーパーへのチラシ掲示依頼、SNSでの拡散など、より広いエリアへの働きかけが必要になる。
山や川など、危険な地形の捜索
山中や川沿いでの捜索は、犬自身にとっても捜索員にとっても難易度が上がる。岡山県の案件では、連日の雨で地面がぬかるみ、足場が崩れる危険がある中での捜索になり、猟友会の人と一緒に山中を探した。この案件では猟友会から『冬前のこの時期は熊が最も活発』という注意を受けている。岩手県の案件でも、自宅周辺に熊が出る地域だったため、普段は庭で遊ばせるだけにしていたという背景があった。山林での捜索が必要になった場合、犬を見つける以前に、人が入る場所として安全かどうかの見極めが欠かせない。
犬の状態に応じて捜索方針を変えた例
年齢や持病を踏まえた工夫
記録の中には、16歳、15歳、高齢と記された犬、白内障のある犬の案件がある。いずれも記録期間内には解決に至らなかったが、件数が少なく、年齢や持病そのものが見つかりにくさの原因だと判断できる根拠ではない。
捜索チームは、それぞれの案件で次のように方針を変えていた。長距離の移動は考えにくいとみて普段の散歩コースに絞る、暗いと散歩を嫌がる性格を踏まえて夜間の捜索を避け明け方に絞る、リードが絡まって動けなくなっている可能性を考えて山中を捜索する、といった判断である。足を引きずっているという目撃情報や、生存を示す目撃情報が入った案件もあった。年齢や持病は、見つかるかどうかの結果を決める要因というより、捜索の組み立て方を変える手がかりとして使われている。
野犬として暮らしていた犬の1例
千葉県の案件では、生まれてから6年間野犬だった犬が約1週間行方不明になった。脱走当日に隣の市でSNSに投稿された写真が見つかり、6日後の最終目撃は元の市内だったことから、捜索チームはかなり広い範囲を移動していると判断し、そのルートを中心に捜索を進めた。記録期間内の3日間は未解決だったが、捜索チームは『外の生活に慣れているのかもしれない』と指摘している。この案件は記録の中で1件のみであり、外での生活経験が移動範囲の広さに影響したかどうかは、この記録だけでは確認できない。
自宅からどれくらい離れる?移動距離の傾向
犬の移動距離について、今回確認した資料の範囲では、日本国内の公的な統計を確認できなかった。ここではペット探偵団ファインドの捜索記録から、実際に見つかった場所を挙げる。件数は記録の範囲にとどまるため、一般化はできない点に留意してほしい。
自宅からごく近い場所で見つかった例としては、近所の庭、家の裏の土手、近くの用水路がある。一方で、脱走当日に隣の市で目撃された例、約2km先で保護された例が2件、約12km先での目撃例がある。埼玉県の案件では、保護施設からトライアル譲渡中だった犬が、散歩中に高齢の家族が転倒したことに驚いて脱走し、4日間手がかりがないまま、脱走地点から約10km先で目撃され、同じ日の夕方にはさらに約6km先でも目撃された。捜索チームは行動範囲が広すぎると判断し、コンビニやスーパーへのチラシ掲示依頼、SNS拡散の強化、車で移動しながらの捜索に切り替えている。
目撃情報が入るたびに、次の3点を記録しておくと捜索範囲の更新に役立つ。ひとつは目撃地点までの距離と方角、ふたつめはその情報がいつの時点のものか、みっつめは目撃者が見た犬の状態(歩いていたか、うずくまっていたかなど)である。毛色や大きさ、首輪の有無を確認して同じ犬かどうかを見極め、古い情報と新しい情報を混同しないようにする。複数の目撃地点が集まってきたら、それぞれの時刻と場所を地図やメモに書き出し、捜索員や警察・保健所と共有すると、次にどの範囲を重点的に確認すべきかを判断しやすくなる。
捜索チームの経験では、犬は近くにいるとも遠くへ行くとも言い切れない。体格や性格、脱走のきっかけによって差が大きく、まず自宅周辺を確認しながら、目撃情報が入るたびに捜索範囲を更新していくのが実際の進め方である。
犬種・サイズが分かる案件の内訳
29件のうち、犬種やサイズが記録に残っているのは12件だった。小型犬が6件(トイプードル、ポメプー、シーズー、ミニチュアダックス2件、豆柴)、柴犬が2件、中型犬が4件である。残り17件は記載がなかった。この内訳だけから、犬種やサイズが捜索の難易度を決めると結論づけることはできないが、依頼時に犬種・サイズ・毛色を伝えておくと、目撃情報の照合がしやすくなる。
身元表示は、何を備えておくとよいか
先に紹介したLord et al.の調査では、脱走した時点で鑑札や迷子札を身に着けていなかった犬が半数以上を占めていた。ペット探偵団ファインドの記録でも、マイクロチップや迷子札の装着状況が明確に記されている犬の案件は見当たらない。身元表示は、保護した人や機関から連絡を受けるきっかけになり得る。
マイクロチップと迷子札は役割が違う
マイクロチップは体内に埋め込む個体識別の手段で、動物病院や保健所などが専用のリーダーで読み取り、登録データベースに照会して初めて飼い主情報にたどり着く。迷子札は、首輪に電話番号などを直接記載しておけば、保護した人がその場で連絡できる。鑑札は自治体が発行する登録証で、記載された登録番号をもとに、保護した人や機関が自治体へ照会する仕組みになっている。迷子札のようにその場で連絡先が分かるものと、照会を挟むものとでは、連絡が飼い主に届くまでの経路そのものが違う。マイクロチップを装着している場合は、転居や電話番号の変更のたびに登録情報を更新しておくことも欠かせない。
首輪やリード、ハーネスは点検してから出発する
ペット探偵団ファインドの捜索記録でも、散歩中にハーネスが抜けて脱走した例が残っている。留め具のゆるみやすり減りは、散歩前の一瞬の確認で気づけることが多い。日常用の首輪と、散歩用のハーネスやリードとでは役割が違う。日常用の首輪には迷子ふだをつけ、抜けて脱げてしまわないよう体に合った長さに調整する。散歩用のハーネスやリードは、金具にがたつきがないか、ベルトが摩耗していないかを、出発前にはその都度確かめておきたい。首輪の形状を変えるかどうかで迷ったときは、かかりつけの獣医師に相談すると、その犬の体格や性格に合った選び方が見えてくる。
チラシと聞き込みは、どこまで広げるか
枚数は状況に応じて増やす
広島県の案件では、初日に300枚のチラシを広範囲に配布した。福岡県の案件では、近場に200枚を配ったあと、300枚を増刷して範囲を広げている。茨城県の案件では、500枚に加えて500枚を追加でポスティングした。ペット探偵団ファインドでは2026年8月から、犬と鳥の捜索についてチラシの上限を500枚から最大1000枚に広げている。最初の枚数で情報が集まらないときは、枚数を増やしながら範囲を広げる判断が必要になる。
配布先は住宅街だけにしない
埼玉県の案件では、コンビニやスーパーに掲示を依頼し、SNSでの拡散も合わせて行った。長野県の案件では工場団地や運動場など人が集まる場所にもチラシを配布している。茨城県の案件では、ドッグサロンや動物病院に拡散を依頼した。新潟県の案件では、大雨でポスティングが遅れた際に新聞折込での配布を手配している。住宅街への戸別配布に加えて、コンビニやスーパー、動物病院やドッグサロンなど人が立ち寄る場所にも配布や掲示を依頼すると、目撃者との接点を増やせる。実際に、チラシを見た人からの情報がきっかけで捜索が進展した案件が複数記録されている。
呼びかけが効かないときの工夫
名前を呼んでも寄ってこない、姿を見せても逃げてしまう。そうした犬に対して、捜索チームは呼びかけ以外の方法を組み合わせている。
ご飯とカメラを組み合わせる
茨城県の案件では、目撃情報のあった森にご飯とトレイルカメラを設置し、夜間に鳴き声の通報を受けて姿を確認した。岡山県の案件でも、河川敷にご飯とカメラを数カ所設置したが、映ったのは野生動物だけだった。福岡県の案件では、ご飯を置いて離れると犬が食べに来る様子が確認され、捕獲器の使用が検討されている。
捕獲器を使うときの注意
ペット探偵団ファインドの犬の記録で、捕獲器の使用を検討した記録が確認できるのは、この福岡県の1件にとどまり、実際に捕獲できたかどうかまでは記録に残っていない。捕獲器は設置すれば誰でも保護できる道具ではなく、見回りと管理を欠かさない運用が前提になる。使うかどうかの判断も含め、現場の状況を見た専門家と相談しながら進めることが望ましい。
匂いを頼りに待つ
千葉県の案件では、人に慣れていない犬に対して、脱走地点から自宅まで先住犬を散歩させ、匂いを残すよう捜索チームが提案した。この案件では翌日の捜索開始前に犬が自力で帰宅しているが、記録は1件のみで、提案と帰宅の因果関係は確認できていない。効果が実証された方法としてではなく、他の手を尽くしたうえでの選択肢の一つとして捉えてほしい。
自分で探すのが難しいと感じたら
捜索が長引くと、仕事や家族の予定と両立できなくなり、体力も限界に近づく。ペット探偵団ファインドでは、こうした段階で捜索の専門家に依頼する相談を24時間365日、無料で受け付けている。まずは電話で状況を伝えるところから始められる。
捜索の内容や流れはサービスページで公開している。捕獲器やトレイルカメラ、Wi-Fiカメラ、4Gカメラといった機材を使い、捜索は1日6時間が基本で、それ以外の時間も捜索員は自宅へ戻らず現場近くで待機する。設置したカメラは24時間稼働する。
この料金は、決して安いとは言えない。ただし、24時間稼働するカメラでの見守りに加え、契約日数分の捜索、成功報酬、そして捜索が終わったあとも続く『見つかるまでサポート保証』までを含めた総額として示している。次の3つのプランは、いずれも税込・全部込みの総額である。
| プラン | 料金(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 1日プラン | 66,000円 | 捜索1日6時間が基本。基本料金・交通費・機材費・車両費に加え、他社が別途取ることのある成功報酬や捜索終了後のサポートも、最初から全部込みで66,000円に含まれる |
| 2日プラン | 132,000円 | 1日プランの内容に加え、チラシの作成と配布、捜索員の宿泊費を含む |
| 3日プラン | 178,000円 | 2日プランと同じ内容で、日数が3日になる |
他社の料金体系には、捜索時間に応じた時間制、発見時に成功報酬を別途請求する成功報酬型、日数に応じたパック料金などがある。見積もりを比較する際は、延長料金、出張費、チラシの作成費、機材費、捜索員の宿泊費が総額にどう含まれているかを確認するとよい。
2日プラン・3日プランには、1日プランの内容に加えてチラシの作成・配布と、捜索員の宿泊費が含まれる。1日プランでも、捜索の基本時間である6時間以外は捜索員が自宅へ戻らず現場近くで待機し、設置したカメラは24時間稼働する。待機とカメラによる見守りの体制は、どのプランでも変わらない。
契約したプランの範囲では、表示した料金に成功報酬まで含まれており、追加請求は発生しない。ただし、日数を超えて捜索を続ける場合は延長料金がかかる。延長料金は1日あたり、1日プラン契約で66,000円、2日プラン契約で58,000円、3日プラン契約で45,000円である。キャンセル料は、プラン料金(税込)に対する割合で、2日前が10%、前日が50%、当日は全額となる。契約後に捜索員が出発したあと、捜索の開始前に犬が自力で帰宅した場合も、当日キャンセルの扱いになる。
捜索期間が終わったあとも、情報が入れば捜索チームがLINEや電話で連絡を取り続け、再捜索の相談に応じる『見つかるまでサポート保証』が、追加料金なしで全プランに付いている。これは結果を保証するものではなく、サポートを止めないという約束である。
プランは、電話で状況を聞いたうえで一緒に決めていく。会社概要はこちら、捜索チームの体制については私たちについてのページで紹介している。相談はお問い合わせフォームからも受け付けている。
捜索を依頼した方の声
実際に犬の捜索を依頼した方から寄せられた声を、原文のまま一部引用する。
犬が脱走したときは頭が真っ白になりどうしたらいいか分からず、すがる思いで依頼をしました。無事見つかり安心しました。
真摯に向き合ってくださりありがとうございました。
(飼い主さま)
監視カメラの設置や聞きこみ、広範囲のポスティングなど、家族だけでは難しかったと思います。捜索の進捗はこまめに共有してくださって安心できました。
お願いして本当によかったです。
ありがとうございました!
(飼い主さま)
まとめ
米国の追跡調査では、行方不明になった犬の71〜93%が飼い主のもとに戻ったと報告されている。ただし、この割合は自力での帰宅だけでなく、近隣の人や警察、保健所を介した再会も含んだ数字である。戻るまでの日数は中央値2日と報告されているが、範囲は0.5日から21日まで幅がある。
ペット探偵団ファインドの捜索記録でも、捜索員が到着する前に解決した案件、数日で保護に至った案件が多く残っている一方、2週間以上かかった例や、記録の期間内には解決しなかった案件もある。行方不明になってからの日数だけで可能性を判断する必要はない。
警察や保健所への届け出、動物病院への確認、迷子掲示板やSNSでの情報発信、普段の散歩コースの捜索を並行して進めながら、目撃情報が入るたびに捜索範囲を見直していくことが、再会までの時間を左右する。身元表示の備え、チラシの配布範囲、呼びかけが効かないときの工夫は、いずれも捜索方針を決めるときに確認しておきたい要素である。
自分たちだけでの捜索が難しいと感じたときは、無理をする前に相談してほしい。ペット探偵団ファインドでは、24時間365日、無料で相談を受け付けている。電話は050-5574-5209から。ほかの捜索記録や脱走対策はブログ一覧でも紹介している。